ニュース速報
ビジネス

FRB、7月利下げ検討すべき 関税影響は限定的=ウォラー理事

2025年06月21日(土)05時01分

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は20日、足元のインフレ指標が落ち着いていることや輸入関税による価格ショックは短期間で終わるとの見方を踏まえ、FRBは次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを検討すべきとの見解を示した。2022年1月撮影(2025年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は20日、足元のインフレ指標が落ち着いていることや輸入関税による価格ショックは短期間で終わるとの見方を踏まえ、FRBは次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを検討すべきとの見解を示した。

ウォラー理事はCNBCの番組、スクワーク・ボックスで、「関税によるインフレはそれほど大きくならないと思う。政策決定の際にこの影響を過度に考慮すべきではない」と指摘。その上で「ここ数カ月のデータは、インフレ傾向がかなり良好であることを示している」とし、早ければ7月にも利下げを実施できる可能性があるとの見方を示した。

FRBは17─18日に開いたFOMCで金利据え置きを決定。当局者は年内に利下げが実施される公算が依然大きいとの見通しを示した。

FRBのパウエル議長は「関税引き上げによるインフレの影響が実際にどうなるか把握するのに数カ月、あるいは必要な期間待った方が賢明でより良い判断ができる」と語った。

ウォラー氏は「次回のFOMCで政策金利の引き下げを検討し始めるべきだという見方に大いに賛成する。雇用市場の落ち込みを待ってから利下げを始めるのは避けたい」と指摘。インフレ傾向はすでに鈍化し始めており、足元の金利水準は「中立金利」を大幅に上回っていると述べた。さらに、労働市場の弱体化についても言及し、その兆候として新卒者の就職難を例に挙げた。

ウォラー氏は来年任期が終了するパウエル議長の後継候補として有力視されている。ウォラー氏の利下げを支持する政策姿勢は、パウエル議長に再三の利下げを迫るトランプ大統領の政権下で、次期議長就任への可能性を高めるかもしれない。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、7月利下げ検討すべき 関税影響は限定的=ウ

ビジネス

関税の影響を評価するのは時期尚早=FRB金融政策報

ビジネス

米株式ファンドから大幅に資金流出 中東緊迫化と関税

ビジネス

フィラデルフィア連銀製造業指数、3カ月連続マイナス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「過剰な20万トン」でコメの値段はこう変わる
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    全ての生物は「光」を放っていることが判明...死ねば…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    マスクが「時代遅れ」と呼んだ有人戦闘機F-35は、イ…
  • 8
    「巨大キノコ雲」が空を覆う瞬間...レウォトビ火山の…
  • 9
    「まさかの敗北」ロシアの消耗とプーチンの誤算...プ…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 10
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 5
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中