コラム

3700の疑惑を抱えるトランプは「最高不正官」【風刺画で読み解くアメリカ】

2025年06月05日(木)19時15分
ロブ・ロジャース(風刺漫画家)/パックン(コラムニスト、タレント)

また、トランプの暗号資産($TRUMP)の保有額が高い220人をプライベート夕食会に招くと発表したら、買い注文が殺到。はい、お金を払えばトランプと飲み食いできる。ええと、コンパニオン? そんな大金は普通に消費に使ったほうが労働者のため。投資したほうが起業家のため。チャリティーに寄付したほうが弱者のためになる。暗号資産を買ってトランプ一族に回すなんてもったいないと思う。

弁解はこうなるかな。トランプも労働者だろう!? 起業家だろう!? さらに、チャリティーの対象だろう!?


これは事実だ。慈善目的で募った寄付金をトランプに回したチャリティー団体は実際にあった。その団体は裁判で不正が認められ解散が命じられたけどね。はい、トランプ財団の話だ。

もう諦めて、肩書を最高司令官からGrifter in Chief(最高不正官)に変えよう。

ポイント

BRINKS
アメリカの有名な現金輸送会社。トランプがカタール政府から提供された大統領専用機を、金を運ぶ輸送車になぞらえている。

$TRUMP
トランプ関連企業が発行し、供給量の80%を保有している暗号資産で、ネット上のジョーク(ミーム)から生まれたミームコインの一種。

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

パックンの風刺画コラム

<パックン(パトリック・ハーラン)>
1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『大統領の演説』(角川新書)。

パックン所属事務所公式サイト

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ陸軍新司令官にシャポバロフ氏 ゼレンスキ

ワールド

トランプ氏、イスラエル・イラン紛争への対応を2週間

ワールド

カナダ、鉄鋼・アルミ輸入に新関税制度導入へ 米の追

ワールド

独首相、イスラエル首相に対イラン攻撃巡り自制求める
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 2
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 3
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディズニー・ワールドで1日遊ぶための費用が「高すぎる」と話題に
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 6
    マスクが「時代遅れ」と呼んだ有人戦闘機F-35は、イ…
  • 7
    下品すぎる...法廷に現れた「胸元に視線集中」の過激…
  • 8
    全ての生物は「光」を放っていることが判明...死ねば…
  • 9
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 10
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 5
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story