英4月のモノの対米輸出20億ポンド減、過去最大 米関税が影響

英国立統計局(ONS)が12日発表した4月の財(モノ)の貿易統計によると、対米輸出は41億ポンド(56億ドル)と前月から20億ポンド減少した。写真は英サウサンプトン港で4月撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した4月の財(モノ)の貿易統計によると、対米輸出は41億ポンド(56億ドル)と前月から20億ポンド減少した。月次統計が始まった1997年以降最大の減少幅で、減少率は約33%に達した。トランプ米大統領による関税措置が影響した。モノ全体での貿易赤字は232億ポンドと、3月の199億ポンドから拡大し、2022年1月以来の大きさだった。
4月のサービスも含めた全体の貿易赤字は54億ポンド。23年5月以来となる大幅な赤字だった。
対米輸出の失速は、4月の英国内総生産(GDP)が落ち込む一因となった。英国にとって米国は最大のモノの輸出国で、特に自動車メーカーにとって重要な輸出先となっている。英国の24年のモノの対米輸出は593億ポンド、輸入は571億ポンドだった。
ドイツが先週発表した4月の対米輸出(季節調整済み)は10.5%減だった。
英商工会議所(BCC)は、英国の4月の輸出の減少は3月にメーカーが米関税引き上げを見越して輸出を前倒ししたことも一因だと指摘した。BCCのウィリアム・ベイン氏は「米関税措置の経済的影響は現実のものとなっている。多数の英輸出企業が受注減のほか、サプライチェーン(供給網)などのコスト上昇に直面している」と述べた。